不貞とは、配偶者のある者が、自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいます(最高裁判所昭和48年11月15日判決)。
裁判で不貞行為が認められればそれだけで離婚の理由になりますし、また、配偶者の貞操権を侵害する不法行為として慰謝料請求の理由にもなります。では、不貞行為があったと認めてもらうためにはどのような証拠が必要なのでしょうか。
動画・写真
まず、性交渉中の動画や写真は、顔などで本人であることが確認できれば十分な証拠といえます。また、性交渉中ではなくても、ホテルの部屋で下着姿で映っている写真など、性交渉の前後であることが明らかなものも十分な証拠といえます。
しかし、通常はこのような直接的な証拠が手に入ることはあまりありません。
そこで、多くの場合はホテルや不貞相手の家に出入りする際の写真を集めることになります。これらの写真は出入りの時間や滞在時間が重要になります。ラブホテルであれば短時間の滞在でも不貞があったと認められますが、一般のホテルや相手の家などで滞在時間も短い場合、ただ話をしていただけ、と言い逃れされる可能性があります。このような場合は、1度だけでなく複数回出入りしている写真を集めたり、手を繋いでデートしている際の写真なども集めて、言い逃れさせないようにする必要があります。
音声データ
性交渉中の音声や自白を録音したデータも有効な証拠といえますが、自分の声ではないと言い訳される可能性もあり、その場合は声紋鑑定などの費用がかかる場合があります。
メール・ライン
最近では、メールやラインから浮気が発覚することが多くなってきました。しかし裁判では、メールやラインのやり取りだけで不貞を証明することは難しく、他の証拠(たとえばメールの内容と整合する写真や領収書など)を併せて主張立証する必要があります。
とはいえ、メールやラインは当事者の親密さや、関係がいつから始まったか、既婚者だと知っていたのか等について証明するためには非常に重要な証拠となりますので、チャンスがあれば必ず写真や動画に収めておきましょう。
日記メモ
浮気を疑うきっかけや、怪しいと思った出来事を書き留めた日記やメモも、重要な証拠となります。他の証拠と整合していれば信用性は高まります。後日偽造したものだと言われないように日付をきちんと書いておきましょう。SNSにアップロードしておくことも有効です。
まとめ
証拠を見つけたら、まずは写真や動画を撮ること、とっさの会話も録音することが重要です。見たくない、思い出したくないといって消してしまうと、後々後悔することになるので絶対に消さないようにしましょう。一つの証拠だけでは難しくても、他の証拠と併せることで不貞を証明できる場合もあります。使えるかどうかは、専門家に相談しなければ見極めは難しいものです。
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