財産分与とは
財産分与とは、結婚している期間に夫婦の協力で蓄えた財産を、離婚時に分け合うことをいいます。
対象となる財産は、婚姻期間中に夫婦の協力によって得た財産です。たとえば、結婚後に蓄えた預金、結婚後にローンで購入した車や家などです。
結婚前から持っていた預金や車などは含まれません。
また、婚姻中でも、親からの贈与や相続によって得た財産は、夫婦の協力で得た財産ではないので、含まれません。
対象となる財産の具体例
・預貯金
・不動産
・車
・保険（解約返戻金がある場合は、財産とみなされます。）
・株、国債、ゴルフ会員権などの有価証券
・退職金（基準時に自己都合退職したと仮定した場合の退職金の額が対象となります。）
借金がある場合
住宅ローンや車のローンなどの借入金がある場合は、プラスの財産の額から借金残高を控除した残金を分与します。借金の方が多い場合は、分与する財産は０となります。超過した借金の支払いを相手に求めることは原則としてできません。
財産分与の基準時
いつの時点の財産を分与するのか、という問題です。原則として別居時点を基準とします。
単身赴任中に離婚協議を始めた場合など、いつ別居したのかがあいまいな場合は、財産分与は前記の通り夫婦の協力で得た財産を分け合うものであるという考えに基づき、夫婦の協力が終わった時点を実質的に判断することになります。
財産の変動が大きい場合は、いつを基準時にするかによって分与の額に大きく影響することがありますので、基準時の判断で迷った場合は、弁護士に相談することをお勧めします。
財産の隠匿
財産分与に関して、もっとも頻繁に争われる問題が、相手が財産を隠しているのではないか、という点です。
預金通帳などを隠していると疑われる場合は、銀行からの郵便物や、クレジットカード等の明細（引き落とし口座が書かれています）など、手掛かりとなる資料を集める必要があります。
これらの資料収集は、別居してしまった後では困難となりますので、早めに準備することが重要です。
このような事案でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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